最近耳にすることが多くなってきたeスポーツ。アジア・オリンピック評議会(OCA)が主催する第18回アジア競技大会でeスポーツが初めて公開競技として行われることでも話題になりました。
そもそもeスポーツとはいったい何をする競技なのでしょうか。
世界の先進国と比べると日本はまだゲームの競技としての認識に遅れをとっていますが、ようやく日本でもプロゲーマーとして活躍できる環境が整いつつあります。
そこで、今後さらに注目されるであろう日本のeスポーツを中心に紹介していきます。
eスポーツとは
「eスポーツ(esports)」とは、「エレクトロニック・スポーツ」の略で、広義には、電子機器を用いて行う娯楽、競技、スポーツ全般を指す言葉であり、コンピューターゲーム、ビデオゲームを使った対戦をスポーツ競技として捉える際の名称。
抜粋:eスポーツとは|JeSU
2000年頃からeスポーツという単語が世界的に使われはじめ、歴史はまだ浅いですが今では世界規模で高額賞金が出る大会も開催されています。
Dota2公式世界大会である「The International 2017」では賞金総額がeスポーツ史上最高の約2,466万ドル(約27億円)以上を記録しました。
日本でも2018年2月に「日本eスポーツ連合(英語:Japan esports Union 略称:JeSU)」が将来のeスポーツのオリンピックメダル競技採用に向けて設立されています。
- プロライセンスの発行
- 公式の大会の定期開催
- 日本選手の海外派遣についてのサポート
既にプロゲーマーとして活躍している選手は日本でも存在していますが、現在のところ、これらの選手へのライセンスは必ずしも必要ではなく、その下の世代のこれからプロゲーマーを目指す人たちが少しでも活躍できる可能性を引き出すことを期待されているようです。
この「JeSU」がeスポーツ選手の育成など様々な支援を行っていますが、そのライセンス制度の定義が曖昧であることや、プロライセンス発行タイトルの選考基準が不透明であることなど、日本国内で広く普及するために解決しなければならない課題が残されています。
日本eスポーツ連合(JeSU)によるライセンス認定タイトル
日本eスポーツ連合(JeSU)がプロライセンスを発行しているタイトルを紹介しましょう。
コール オブ デューティ ワールドウォーII(Call of Duty:WWⅡ)
全世界売上が10億ドル(日本円で約1100億円)を突破した戦争をテーマとしたFPS(一人称視点のゲーム)。今作は第二次世界大戦におけるヨーロッパの様々な戦場を舞台として対戦を楽しめます。
闘会議2018(2018年2月開催)では、日本で初めてとなる賞金付プロチーム対抗戦が行われました。4チームによるトーナメント方式で、賞金総額はなんと1000万円!
レインボーシックスシージ(Tom Clancy`s Rainbow Six Siege)
アメリカ、ドイツ、ロシア、フランス、イギリスの特殊部隊から構成された対テロ特殊部隊「レインボー」の活躍を描く「レインボーシックス」シリーズの最新作。全世界で累計登録プレイヤー数が3000万人を突破しています。
日本国内ではeスポーツ国内公式大会である「レインボーシックス シージ ジャパンリーグ powered by Samsung SSD」が開催されています。PC版とPS4版でそれぞれ別の大会が行われ、予選を勝ち抜いた2チームが「東京ゲームショウ2018(2018年9月18日)」にて決勝戦を行う予定になっています。
ストリートファイターⅤアーケードエディション
対戦格闘ゲーム、ストリートファイターシリーズの最新作。シリーズ第1作は1987年に発売・稼働しており、歴史も長いゲームです。
こちらも日本eスポーツ連合(JeSU)公認の大会「CAPCOM Pro Tour ジャパンプレミア」が東京ゲームショウ2018(2018年9月22日・23日)に開催されることが発表されています。賞金総額は1000万円で、予選大会を勝ち抜いた上位8名にはプロライセンスが発行されるとのこと。
鉄拳7
3D対戦型格闘ゲームである鉄拳シリーズの7作目。累計で4400万本を出荷しており、世界で最もプレイされている3D対戦格闘ゲームといえます。
本ゲームも日本eスポーツ連合(JeSU)が発行するプロライセンスを所持する9選手による招待制賞金付き大会「鉄拳プロチャンピオンシップ3on3」が開催されました。
ウイニングイレブン2018
2017年9月に発売されたサッカーゲーム。ウイニングイレブンシリーズとしては今作で22作目。2018年8月30日にはウイニングイレブン2019の発売が予定されています。
KONAMI主催による世界大会「PES LEAGUE 」は世界各地で行われるオフライン大会で成績に応じて加算されるポイントを競い、決勝大会を目指すツアー形式。同ツアーでは1vs1部門で日本選手も活躍しており今後も注目です!
パズル&ドラゴンズ
もはや知らない人はいないでしょう。2012年にリリースされてから大ヒットを続けており全世界合計で6000万ダウンロード以上を記録しています。
パズル&ドラゴンズでは2部門で競い合います。
- スコアアタック部門
- 対戦部門
ぷよぷよ
1991年に第1作目が発売となったぷよぷよ。テトリス等に代表される「どれだけミスせずに続けられるか」という一人用ゲームだった落ち物パズルに対戦要素のゲームシステムを取り入れたことで大ヒットしました。
定期的に大会も開催されており、東京ゲームショウ2018ではプロライセンス取得選手対象の大会開催も決定。優勝者には100万円が授与されます。
モンスターストライク
2013年9月に「ひっぱりハンティングRPG」と銘打たれており、敵めがけてプレイヤーのキャラクターを発射し、ぶつけることでダメージを与え、倒していくといったゲーム。
4対4でのチーム戦で争うモンスターストライクのeスポーツ大会「モンストグランプリ2018闘会議CUP決勝大会」では賞金総額6000万円が贈呈され、さらには決勝大会に進出したチームにはプロライセンスが発行されました。
オリンピックのメダル競技にeスポーツが採用される日も近い!?
日本eスポーツ連合はオリンピックのメダル競技としてeスポーツが採用されることを目指していますが、世界的にみても盛り上がりは右肩上がりです。
日本ではまだeスポーツという言葉がやっとテレビ等のメディアに取り上げられるようになった段階でまだまだ広く知られる必要があります。
また、今回日本eスポーツ連合が認定したライセンスタイトルが世界的に人気のあるタイトルが選ばれなかった点は疑問が残ります。
しかしこのゲームタイトルの選定は、日常ではスマホゲームしかプレイしていないライト層にeスポーツという言葉をまず知ってもらい、世間のゲームへの抵抗感のようなものを取っ払うことを目的としているようにも感じます。